交通事故の発生を警察に報告しない事の問題点は大きく分けて2つあります。
それは、
- 法律上の義務違反になる。
- 交通事故証明書が発行できない為、保険金の請求ができない。
です。
法律上の義務違反になる
道路交通法により、交通事故を起こした時は警察への報告が義務付けられています。もし、義務を怠った場合には道路交通法における警察への報告義務違反と言う事で、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金の処罰が下される事になります。
保険金の請求ができない
交通事故証明書は警察が現場検証を行って実況見分書を作成する事によって、はじめて発行申請が可能となります。
従いまして、交通事故を起こした時に警察に報告をせず、当事者だけで勝手に事故処理を終えた場合は、交通事故があった事を公的に証明する交通事故証明書が警察から発行される事はありません。
交通事故証明書は保険金の請求に必要不可欠な書類ですので、高額な損害賠償になるような場合にはありませんでしたでは済まされません。
それでも警察に報告がされないケース
交通事故の発生を警察に報告しないというだけで懲役や罰金と言った刑事罰を受けたり、保険会社に対して保険金の請求が出来ないなどの大きなデメリットがあるのですが、それでも交通事故の報告が警察に届いていないケースは多々あります。
その代表的な理由としては、
- 小さな事故で外傷が見られない。
- 事故の当事者それぞれに過失がある。
- 事故の当事者が無免許運転をしていた。
- 事故の当事者が無保険だった。
- 事故の当事者の違反点数の問題。
があります。
外傷の見られない小さな事故の場合は、警察を呼ぶと時間もかかって面倒なので、当事者同士の話し合いによる解決で済ませるケースは多く見られます。
保険を利用するつもりがないのであれば、このような解決方法でも金銭的なデメリットはないように思えますが、後になってむちうちの症状が発症したり思わぬ損害が発見されると、保険金の請求ができないので大変困る事になります。
保険金を請求するには警察署で発行される交通事故証明書が必要となりますので、その時にはどうしても警察に報告をせざるをえなくなります。
事故発生から相当の時間が経って報告をすると、警察への報告義務違反の追及や罰則を受ける事になりますので、かえって無駄な時間や支出をする羽目に陥ります。
また、交通事故の当事者にそれぞれ重大な過失がある時も、警察を呼ばずに当事者だけで事故処理を済ませるケースが後を絶ちません。
特に、自動車運転免許の停止や取消が生活に多大な影響及ぼす運送関係の方や乗客を乗せて運転するお仕事をされている方に多く見られます。
それから、無免許運転をしていた場合や強制保険にも入っていないような無保険者の場合は、警察に報告をしないで少しぐらい多めに示談金を積んで強引に解決を図ろうとします。
違法な交渉をしてくる方が当然悪いのですが、その事を知っていようがいまいが応じる方にも責任がありますので、不法行為と思われるような行動は絶対にしてはいけません。