自賠責保険の保険料を構成する費用の内訳項目は以下の通りです。
項目 | 割り当て先 |
---|---|
純保険料率 | 保険金に当てられる。 |
純賦課金 | 政府の補償事業のてん補に当てられる。 |
付加保険料率 | 損害調査費、事務処理費、代理店手数料に当てられる。 |
付加賦課金 | 政府の補償事業の業務委託された保険会社の業務費用に当てられる。 |
純保険料率の部分は自賠責保険で支払われる保険金に該当し、算出には以下の計算式を用います。
純保険料率の計算式
純保険料率=予測される損害総額÷予測される自賠責保険の契約件数
予測される損害総額や自賠責保険の契約件数は、代理店として業務を委託されている保険会社からのデータを参考に算出されています。
純賦課金及び付加賦課金の算出には、自動車損害賠償保障事業賦課金等の金額を定める政令に定められた以下の計算式を用います。
純賦課金及び付加賦課金の計算式
N×0.002+(E-A)×{K÷(K+3)}×0.003
- N=純保険料又は純共済掛金の金額
- E=付加保険料又は付加共済掛金の金額
- A=責任保険又は責任共済の契約の締結の手続に要する費用の額に相当する金額として国土交通大臣が金融庁長官(農業協同組合等が締結する責任共済の契約に係るものにあつては農林水産大臣、消費生活協同組合等が締結する責任共済の契約に係るものにあつては厚生労働大臣、事業協同組合等が締結する責任共済の契約に係るものにあつては事業所管大臣)に協議して告示で定める金額
- K=保険期間又は共済期間を年をもつて定めたときはその年数、月をもつて定めたときはその月数の十二に対する割合、日をもつて定めたときはその日数の三百六十五に対する割合
付加保険料率は社費や代理店手数料になる部分ですので、自賠責保険を業務委託されている保険会社の決算資料や、賃金・物価に関する統計などを利用して算出されます。
自賠責保険の保険料率の計算方法
自賠責保険の保険料を構成するのは「純保険料率」「純賦課金」「付加保険料率」「付加賦課金」の4つですが、実際に保険料を求める時には以下のような計算式を用いて算出します。
自賠責保険の保険料率の計算式
保険料率=(純保険料率+純賦課金+付加保険料率+付加賦課金)-(累計収支残+累積運用益)
自賠責保険は運行する車に対して加入を義務付けられている強制保険であることから、営利を目的としない適正原価主義の保険であると言えます。
従いまして、その保険料率を構成する費用には政府や保険会社の利益は含めませんので、収支が黒字になっている場合には加入者への還元方法として控除の措置が取られていると言う訳です。反対に赤字になっている場合には保険料率の増額が行わわれますので、自賠責保険料が高くなる事があります。