自賠責保険の補償対象になるのは、自賠責保険に加入している車両を運転していた運転手とその他の運行供用者以外の人です。この時の運行供用者と言うのはほとんどの場合で車両の所有者の事を指しますが、車両を盗んだ泥棒や無断で使用した人なども運行供用者に該当します。
従いまして、運行供用者ではない友人を車に乗せて交通事故を起こし、その結果友人が被害を受けた時には自賠責保険の補償対象になりますが、運行供用者が父親で父親を車に乗せて交通事故を起こして父親が被害を受けても、自賠責保険の補償対象外と言う事になります。
補償される | 補償されない |
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自賠責保険の補償を超えた部分の損害賠償責任は誰が取る?
自賠責保険は被害者への救済という意味合いが強くありますが、救済とは言っても無制限に補償されるわけではありません。
例えば、被害者が死亡した時に自賠責保険からは最大3000万円が補償される事になっていますが、3000万円を超えた金額につきましては自賠責保険の手を離れる事になりますので、最終的には運行供用者が残りの損害賠償責任を取らなければなりません。
現実的に支払えるような損害賠償額であればいいのですが、もし支払えない場合は自己破産による責任の免除を求める事にもなりかねません。自己破産になれば財産のほとんどを失う事になり、家族にも多大な迷惑をかける事になります。
自賠責保険の補償範囲外の部分をカバーするには?
自賠責保険で補償されていない部分につきましては、各保険会社が販売している任意自動車保険で補うのが普通です。任意自動車保険には加入の強制力がありませんので、加入していない人も中にはいますが、おおよそ8割以上の人が自賠責保険の補償の上乗せをする為に任意自動車保険に入って別途保険料を支払っています。
任意自動車保険の保険料は自賠責保険の保険料よりも複雑な構造になっていますので一概にいくらとは言えませんが、若い人ほど事故率が高いので保険料が高く、年配の人ほど事故率が低くなりますので、年を重ねるごとに右肩下がりで保険料が安くなっています。