心肺蘇生の手順は以下の通りです。
- 心臓マッサージを30回
- 人工呼吸を2回
- 以後繰り返し
負傷者に心肺蘇生が必要な場合には、救急隊員に引き継ぐまで心臓マッサージと人工呼吸を繰り返し行って下さい。AED(自動対外式除細動器)が近くにある時は、AEDの使用も同時に開始して下さい。
心臓マッサージの方法
負傷者を硬い床の上などに仰向けにして寝かせます。圧迫する位置は胸の上下左右の真ん中(みぞおちから指3本分上の辺り)を目安にして、この位置に一方の手のひらの付け根部分を当て、その手の上にもう一方の手を重ねておきます。
手を当てた部分に垂直に体重がかかるように、両方のヒジをまっすぐにのばして、肩と手のひらの位置が垂直になるようなポジションを取ります。
圧迫する強さは成人の場合は胸が5cm、小児の場合は胸の厚さの3分の1沈みこむ程度です。圧迫する速度は1秒間に2回を目安にして、30回連続で行います。心臓マッサージのポイントは「強く」「速く」「圧迫をきちんと解除」「圧迫する位置をずらさない」の4つです。速さも大切ですが、圧迫した状態をしっかり戻す事にも意識を向けて下さい。
人工呼吸の方法
まずは負傷者の気道を確保する為に、負傷者を仰向けに寝かせて片手で額を押さえながら、もう一方の手であごを持ち上げます。あごの先端が真上を向くような体勢になります。気道が確保できたら額を押さえている方の手の人差し指と親指で負傷者の鼻をつまみます。
救助者は息を吸い込み、負傷者の口をおおう様に自分の口を密着させます。吹き込む息の量は、負傷者の胸を目で見て膨らんでいるのが分かる程度を目安にします。
吹き込む時間は1秒間で、回数は2回行います。息を吹き込んだ後は一旦口を離して、吹き込んだ息が負傷者の口から自然に出てくるのを待ちます。
上手く吹き込む事が出来ない時でも、吹き込む回数は2回までにして下さい。口と口での人工呼吸が出来ない場合やためらわれる場合は、人工呼吸を省略して心臓マッサージを続けて下さい。
救急隊員に引き継ぐまで絶え間なく続ける
心肺蘇生は心臓マッサージ30回と人工呼吸2回の組み合わせの事を言います。人工呼吸ができない時を除いて、この組み合わせによる心肺蘇生の方法を救急隊員に引き継ぐまで絶え間なく続けます。
心肺蘇生によって負傷者が動き出した場合には、蘇生行為を一旦終了します。