交通事故が発生して負傷者がいる場合には救急車を呼んで待機するだけではなく、出来る限りの応急処置を施して負傷者の手当てに努めましょう。一般的な応急手当の手順は以下の通りです。
- 負傷者を安全な場所に移動させる。
- 回復体位を取らせる。
- 負傷の状態に応じた処置を施す。
安全な場所とは?
車道は危険ですので、歩道や車の通行がない所まで負傷者を移動させましょう。歩道であっても、出来るだけ車道から離れた所が望ましいです。
更に細かい事を言えば、直射日光を避けられるような場所があればより良いです。
基本的な回復体位
反応はないけど普段と同じような呼吸をしている負傷者で、嘔吐や吐血が見られる場合、または救助者が一人で、負傷者のそばを離れなければならないような時は、負傷者に回復体位を取らせます。
回復体位は横に寝かせるのが基本姿勢で、負傷者の下になる腕を前に伸ばし、上になる腕を曲げてから手の甲の上に顔(頬)をのせます。姿勢を安定させる為に、上になる足を曲げておく事も重要です。
但し、長時間同じ姿勢にしておくのはかえって体に負担がかかる事がありますので、5分~10分おきなど定期的に反対向きにして体位を変えるようにして下さい。
嘔吐や吐血が見られない場合で負傷者が首を痛めている時には、負傷者を仰向けにしてから頭を両手で包みこむように支えて首の安静を図ります。頭を引っ張ったり動かしたりすると首に負担がかかりますので、そのままの体勢を保持しなければなりません。
止血の方法
感染症を予防する為に、ビニール手袋がある場合にはビニール手袋をはめてから止血にあたりましょう。ビニール手袋がない時でも、代用品としてビニール袋を使用しても良いと思います。但し、きれいなビニール袋以外の使用は衛生上よろしくないので控えて下さい。
出血部分を確認したら、ガーゼ、ハンカチ、タオルなどを重ねて、出血している部分に当ててから手で圧迫して下さい。
きちんと圧迫出来ている場合は出血が止まりますが、圧迫箇所がずれていたり圧迫する力が弱いと、ガーゼから血液がしみ出て来る事があります。止血を行う際には、出血している部分を確実に押さえる事が重要なポイントです。