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直接運転していなくても実際に起こった自動車事故

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自動車には車輪が付いているので、ブレーキが効いていない状態であれば人の意志とは関係なく勝手に車輪が動き出す事があります。

ここでは、直接運転はしていないのに実際に起きてしまった自動車事故をご紹介します。

福岡県田川市伊田の露天商男性の軽ワゴン車が約50メートル暴走!

事故発生日時 2014年5月18日
加害者 露天商を営む当時77歳の男性
加害者の事故車両 軽ワゴン車
事故発生の流れ
  1. マニュアル車でギアが入っている事に気づかず、車の外から鍵を回してエンジンを始動。
  2. ギアの入った軽ワゴン車が運転手のいないまま発進。
  3. 男性が止めようとしてフットブレーキに手を伸ばしたものの、誤ってアクセルを押してしまい車が暴走。
  4. 3人が重傷、8人が軽いケガ。

旧式のMT車でエンジンをかける時に特に注意しなくてはならないのが、ギアが入ったままのエンジン始動です。

自動車は大別すると、クラッチを踏んでギアを入れ替えるタイプのマニュアル車(MT車)と、クラッチを踏まなくてもギアの入れ替えが出来るオートマチック車(AT車)があります。

新しいタイプの車はどちらの場合でもブレーキを踏んでいないとエンジンを掛けられないようになっていますが、旧式のMT車の場合は鍵を回すだけでエンジンが掛かるようになっています。

今回のケースでは、横着をして車の外からエンジンをかけようとした所、ギアが入っていた事により自動車が勝手に動き出し、大きな事故へとつながっています。

現在ではほとんどの乗用車がAT車となっていますが、一部の工事用車両や運搬用車両では未だに旧式のMT車を採用している事があります。

建設工事関係者や運搬・配送業者の方は他人ごとではありませんので、車を停止させる時にはサイドブレーキを十分に掛けたり、エンジン始動の際には安全確認を怠らないように注意しましょう。

埼玉県川越市藤間にある東武東上線の踏み切りで無人の軽乗用車と電車が衝突!

事故発生日時 2014年1月29日
加害者 当時41歳の会社員女性
加害者の事故車両 軽乗用車
事故発生の流れ
  1. AT車を運転していた女性が郵便物をポストに投函する為に道路のわきに停車。
  2. ギアがドライブに入ったままの状態にもかかわらずサイドブレーキを十分に掛けずに車を離れた為に、無人のままAT車がゆっくりと発進。
  3. そのまま踏切に突入して、甘く掛かったサイドブレーキによって踏切内で停車。
  4. 間もなくして電車が衝突。
  5. 電車の乗客約300人と41歳の女性にケガはなかったものの、東武東上線の上下線174本が運休。
  6. 約9万5000人に影響が及んだ。

AT車で気をつけなければならないのが、アクセルを踏んでいなくてもギアがドライブに入っていたらゆっくりと動き出すクリープ現象です。

普通に運転している時にはクリープ現象のおかげで楽に車を走らせる事が出来ますが、横着をしたり注意を怠ると、人の意志とは無関係に動き出して人や物を傷つけてしまいます。

今回のケースでは、クリープ現象のデメリットがもろに出てしまった結果の大惨事となっています。幸いにも死傷者は出なかったようですが、鉄道会社に与えた損害額は計り知れないものがあります。

まとめ

これらのような自動車事故は、運転者が少しだけでも気を付けていれば避けられたはずの事故です。しかし、普段は気を付けていても、ふとした時に忘れてしまう可能性は誰にでもあります。

完璧に自動車事故を防げる人はいません。しかし、その完璧でない部分を埋め合わせてくれるのが、保険であり自動車保険です。

自動車を運転する上で課せられている責任は果たさなければなりませんが、生活を揺るがすほどの大きな損害賠償に備える為にも、自賠責保険や任意保険などの自動車保険には必ず加入しておきましょう。

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