対人賠償保険とは、他人にケガを負わせたり死亡させた場合に生じる損害賠償責任に対して保険金が支払われる保険です。
この保険は任意自動車保険を構成している保険のうちの一つに当たり、任意自動車保険に加入する際の加入必須保険でもあります。
高額な損害賠償に対応するために、対人賠償保険の補償額は無制限にするのが一般的です。
補償額を落として年間の保険料を下げることもできますが、下がったとしても年間で1,000円程度にしかならないので、自動車事故のリスクを考えた場合にここはケチらない事が賢い選択です。
対人賠償保険の保険料
対人賠償保険の保険料は任意自動車保険の保険料を構成する一部で、運転者の年齢・車種・等級によって保険料が決まります。
しかしその保険料を決定づける方法や料金の一覧は公開されていないので、対人賠償保険の保険料だけを正確に把握することは難しいです。
これは私の予想ですが、車両保険を付けた任意自動車保険の保険料が年間で6万円~12万円と言われており、そのうちの車両保険が占める割合が大体3割なので、残りの7割のうちの半分程度が対人賠償保険の保険料ではないかと思っています。
もし車両保険を付けた任意自動車保険の保険料が年間で10万円なら、3~4万円が対人賠償保険の保険料に相当するのではないかと言う事です。
対人賠償保険の補償額
これは保険会社によって異なりますが、数千万円・1億円・無制限というように、いくつかのプランが用意されていることがほとんどです。
ただ、補償額に応じた保険料の値引き設定が満足いくものにはなっていないため、無制限が選ばれやすくなっています。
ちなみに、ある自動車保険の一括見積サイトでは、対人賠償保険の補償額として無制限を選んで見積依頼をされた方が90%以上いたそうです。
対人賠償保険の補償範囲
補償範囲は以下に該当しない「他人」と呼ばれる人たちです。以下に該当する人がケガをしたり死傷しても、対人賠償保険からは何の補償もありません。
- 記名被保険者
- 記名被保険者の配偶者
- 記名被保険者または配偶者の同居親族
- 記名被保険者または配偶者の別居の未婚の子
- 許諾被保険者
- 記名被保険者の使用人
記名被保険者とは自動車保険の契約車両を主に運転される方のことで、保険証券などに記載された被保険者です。記名被保険者が保険契約者である必要はありません。
許諾被保険者とは保険契約者から許可や承諾を得て、その車を使用したり管理したりする人のことです。
記名被保険者の使用人とは、もし保険契約者が会社や組織であれば雇用主のことです。
記名被保険者の子供であっても、別居してなおかつ生計が別であれば他人として扱われるので、対人賠償保険の補償範囲となります。