事実婚状態にある内縁関係者や内縁関係の夫婦から生まれた子供は、以下の条件のうち、いくつかを満たせば内縁関係と認められて損害賠償請求権の一部が認められることがあります。
内縁関係と認められるための条件
- 婚姻届を出していない。
- 婚姻の意思がある。
- 周囲から夫婦として扱われている。
- 生計をともにしている。
- 同居している。
- 同一世帯である。
- 認知した子供がいる。
- お互いの親族と交流がある。
判例や弁護士の見解を見る限り、上記条件のうち1~3までは確実に必要だと思われます。内縁関係の夫婦から生まれた子供の場合は認知されていることが重要になってきます。
内縁関係者の相続権
最近では一定の条件を満たしている内縁関係者は夫婦として扱われると言う判例がよくあがっていますが、内縁関係は法律婚ではないので相続権は認められていません。
相続権がある配偶者と相続権がない配偶者では以下のような違いがあります。
相続権がある | 相続権がない |
---|---|
被害者が被ったすべての損害に対する賠償請求権を相続できる。 | 配偶者が元々持っている、あるいは被害者が死亡するまでに生じた権利の部分だけを請求することができる。 |
相続権がある配偶者であれば、被害者が本来請求できるはずの賠償請求権のすべてを相続して請求することができます。
相続権がない配偶者は権利の相続ができないので、元々持っている権利と被害者が死亡するまでに生じた権利分だけを請求することができます。
元々持っている権利と言うのは以下の通りです。
- 扶養される権利 ← 死亡した配偶者に対して請求する
被害者が死亡するまでに生じた権利と言うのは以下の通りです。
- 被害者の財産的損害(治療費等)のうち立て替えた部分の請求権 ← 死亡させた加害者に対して請求する
- 精神的損害の請求権 ← 死亡させた加害者に対して請求する