未成年者が無保険で事故をしたときの損害賠償責任を負う賠償義務者は以下の通りです。ちなみにここで言う無保険とは自賠責保険に未加入と言う意味です。
- 運転者(責任能力がある場合)
- 運転補助者
- 運転者の使用者
- 運転者の使用者の代理監督者
- 運転者の親権者
民法712条に未成年者の責任能力に関する条文があります。本記事執筆時点での未成年者は満19歳以下の人のことを言います。
民法
第三編 債権
第五章 不法行為
(責任能力)
第七百十二条 未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。
未成年者であっても責任能力があれば賠償責任が生じます。自賠責保険への加入のあるなしは関係ありません。
業務中の交通事故の場合は運転者の使用者(社長など)や代理監督者(工事長・課長など)にも責任が生じます。
賠償請求が可能な範囲
それぞれの責任者に対して損害賠償請求できる範囲は以下の通りです。
賠償義務者 | 請求可能範囲 |
---|---|
運転者(責任能力がある場合) | 全ての損害 |
運転補助者 | 全ての損害 |
運転者の使用者 | 全ての損害 |
運転者の使用者の代理監督者 | 全ての損害 |
運転者の親権者 | 全ての損害 |
プライベートの時に生じた損害賠償の責任は、未成年の運転者または運転者の親権者にあります。
業務中の交通事故を起因とした損害の責任は未成年の運転者・使用者・代理監督者・運転補助者がとらなければなりません。
この時、未成年の運転者に責任能力がなければ運転者の親権者が責任を取らなければなりません。
損害賠償の責任と無保険の責任
損害賠償の責任と無保険であることの責任は別物です。無保険の責任は違反点数の加点や懲役または罰金で償います。
無保険運行は交通違反の中でも罪が重く設定されており、加点される違反点数は6点なので免停になるのは避けられません。もし免停の前歴回数が2回以上であれば免許取り消しになります。
また反則金制度が適用されないので、刑事裁判によって懲役か罰金の刑罰がくだされます。