損害賠償とは損害の原因を作った者が損害を受けたものに対して、その損害の埋め合わせをすることを言います。
損害賠償を大きく分けると「債務不履行に基づく損害賠償」と「不法行為に基づく損害賠償」の2つがあり、交通事故における損害賠償はこの2つのうちの「不法行為に基づく損害賠償」が大半を占めています。
不注意による事故=不法行為となるので、違法性がなくても損害賠償責任は発生します。
⇒民法(外部サイト)
債務不履行に基づく損害賠償は民法415条以下に記載があります。
不法行為に基づく損害賠償は民法709条以下に記載があります。
損害の埋め合わせは原則として金銭による賠償となります。
賠償額を決めるための一定の基準は設けられていますが、加害者や保険会社と直接交渉するよりも弁護士に介入してもらった方が適正で納得できる結果を得られやすいです。
交通事故における損害賠償の種類
交通事故における損害賠償の種類は以下の通りです。
種類として分けるとごちゃごちゃして分かりにくくなりますが、損害賠償のおおよその内訳を普段使っている言葉でまとめると
- ケガの治療にかかった費用
- 仕事ができなくなった事によって貰えなくなった賃金
- 交通事故によって負った精神的なダメージを金銭に換算した費用
となります。
交通事故における損害賠償請求額の計算方法
損害賠償の計算をするには、まずはじめにそれぞれの損害賠償にかかる費用を算出します。
例えばケガの治療に100万円かかりました、だとか、仕事に復帰できるようになるまで60日かかったので休業損害は60万円請求します、などの費用を全て合計します。
それから交通事故の当事者同士の過失割合による過失相殺を行います。
例えば損害賠償請求予定額が300万円で被害者の過失が3割であるなら、300万円の3割である90万円を差し引いた残りの210万円が過失相殺後の損害賠償請求予定額となります。
損害賠償請求権の時効
損害賠償を請求する権利は以下の時に消滅します。
- 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき
- 不法行為の時から二十年を経過したとき
ひき逃げなどによって加害者が誰だか特定できない場合は、事故が起きてから20年間は損害賠償を請求する権利が守られます。
一般的な交通事故の場合は事故が起きてから3年間、損害賠償を請求しなければ請求権が失われることになります。
この時、もし交通事故によるケガの治療に3年以上必要だったとしても損害賠償請求権の消滅期間が延期になることはありません。
ですから、ケガの完治を待たずに損害賠償の計算をしなければならないケースも少ないですがあります。