自賠責保険において「損害賠償の請求ができる人 = 賠償請求権者」と「損害賠償をしなければならない人 = 賠償義務者」は以下の通りです。
賠償請求権者
- 被害者(被害者が請求を誰かに委任した場合は委任を受けたもの。被害者が死亡した場合は相続人。)
- 被害者が死亡した場合は被害者の配偶者・子・父母など
賠償義務者
- 加害者
- 加害者が業務中に第三者に損害を与えた場合は雇主
- 加害者が乗っていた自動車の運行供用者
- 加害者が未成年の場合はその親
賠償請求権者
被害者が賠償請求権を持っているのは当然ですが、損害の大きさによっては自らが請求することが難しくなる事もあります。
そのような場合には誰かに委任をすることで、その委任を受けたものを請求権者にすることができます。
また被害者が死亡した場合には賠償請求権を行使することができませんので、その相続人が損害賠償請求権を相続することになります。
さらに被害者が死亡した場合にはこの被害者自身が元々持っている賠償請求権とは別に、被害者の家族には慰謝料を請求する権利が発生します。
賠償義務者
被害者に損害を与えた当の本人である加害者は当然損害賠償に対して責任を負います。
もし加害者が業務中に第三者に損害を与えた場合は、使用者責任ということで雇い主にも賠償義務が生じます。
ですからこの場合実際に事故を起こしたわけではなくても、請求権者から損害賠償について請求されたら雇い主の方はその請求に応じる義務があるということです。
事故を起こした自動車を誰かが自分の利益のために貸していた場合、その貸した側にも賠償義務が生じます。これを運行供用者責任と言います。
仕事で利用する車であれば大抵は会社が貸し出すので雇い主が運行供用者となりますが、レンタカーの場合はレンタカー業者が運行供用者となり賠償の責任を負います。
加害者が責任の判断能力がない未成年者であった場合は、その未成年者の親権者が監督者責任によって賠償義務者となります。