自賠責保険に加入する義務がない車両は以下の通りです。
- 工場などで限定的に使用される構内専用車。
- 自衛隊の任務の遂行に必要な自動車。
- 在日米軍の任務の遂行に必要な自動車。
- 国連軍の任務の遂行に必要な自動車。
構内専用車両は加入義務がないと言うだけで、加入したいのであれば一般車両と同じように加入することができます。
保険料も一般的な自賠責保険料と変わりません。
自衛隊・在日米軍・国連軍で使用されるいわゆる軍事用車両も加入義務がないだけで、入ろうと思えば自賠責保険に加入することはできると思います。
自賠責保険の加入義務がない車両として挙げられていない農耕作業用として利用されているトラクターなどの小型特殊自動車は、加入したくても自賠責保険に加入することはできません。
自賠責保険の加入義務がない車両と事故をした場合のリスク
一般的な車両との事故の場合、加害車両が自賠責保険に加入していなくても政府保障事業が適用されるので、限度はありますが一切補償が受けられないような事はありません。
ところが自賠責保険への加入義務がない車両と事故をした場合、例えば構内で構内専用車両と事故をした場合ですが、相手が自賠責保険に入っていないのであれば当然自賠責保険は適用されません。
そして自賠責保険が適用されない時の救済措置である政府保障事業も適用されないので、最悪の場合はどこからも何ら一切の補償を受けることができないのです。
もちろん構内専用車を保有している相手に対して損害賠償請求をすることはできますが、賠償金が支払われるまで相当時間がかかることを覚悟しなければなりません。
これがもし構内専用車両がその運行の範囲を超えた場所で事故をした場合、例えば一般道路で事故をした場合は政府保障事業の適用対象となるので、被害者は最終的な補償を国に対して請求することができます。
自衛隊車両との事故による損害賠償の事例
自衛隊車両と事故をした場合、損害賠償の請求先は国となります。国が相手ならきちんとしているだろうと思いがちですが、私が見た事例では国から当初提示された示談金額はかなり低額だったようです。
⇒自賠責適用除外の自衛隊車両との事故。専門病院で高次脳の認定を受け、国の低い提示額を裁判で覆した事例(外部サイト)
この事例では和解するまで16年もの年月がかかっており、つまりその間の医療費等はすべて被害者のほうで負担していたことになります。
後遺障害が残った場合は医療費が高額になりやすいので、被害者の方の負担・不安はかなり大きかったのではないでしょうか。
国が何を考えているのかわかりませんが、被害者にもう二度とこのような思いをさせないでほしいものです。