交通事故の刑罰では主に、「懲役」「禁錮」「執行猶予」「罰金」「科料」の5種類の単語が用いられます。ここでは、それぞれの意味について解説します。

懲役

懲役の「懲」にはこらしめるという意味があり、「役」には仕事や職務と言う意味があります。この事からも想像できるように、懲役とは刑務所で強制的に労働をさせる事で犯罪者を懲らしめるという意味があります。

交通事故を起こした場合に適用される法律に記されている懲役には、1年以下の有期懲役から無期懲役まで幅広くあります。

適用される法律 罰則の対象となる罪や行為 罰則
自動車運転死傷行為処罰法 過失運転致死傷罪 7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金
危険運転致死傷罪 負傷は15年以下の懲役、死亡は1年以上の有期懲役
刑法 殺人罪 死刑または無期もしくは5年以上の懲役
道路交通法 緊急措置義務違反 人身事故 5年以下の懲役または50万円以上の罰金
物損事故 1年以下の懲役または10万円以下の罰金
過失建造物損壊罪 6か月以下の禁錮または10万円以下の罰金
酒酔い運転 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
酒気帯び運転 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
無免許運転 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金

物損事故の緊急措置義務違反や無免許運転をした場合には1年以下の懲役、または罰金刑となっています。この時の1年以下の懲役が意味する所は、罪の度合いに応じて1ヶ月以上1年以下の範囲で刑期が決まるという事です。

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死亡事故を起こして危険運転致死傷罪に問われた時には、1年以上の有期懲役となっていますが、これの意味する所は刑期が1年以上20年以下の範囲で下されるという事になるので、●●年以下の懲役よりも刑罰としては重くなります。

懲役の中で最も重い罰が無期懲役です。刑期に期限が設けられていないので、刑期が一生涯にわたって続く事になります。無期懲役は、死刑に次ぐ重い罪と言う位置づけになっています。

禁錮

禁錮は刑務所で監禁されるだけの事を言います。懲役とは異なり、刑務所で労働を強いられる事はありません。但し、受刑者の希望により刑務作業を行う事も可能となっています。

交通事故を起こした場合には、過失運転致死傷罪や過失建造物損壊罪の罰則として禁錮が適用される事があります。禁錮には有期禁錮と無期禁錮があり、刑期の範囲につきましては懲役とほぼ同様です。無期禁錮は無期懲役に次ぐ重い罪となっています。

執行猶予

懲役や禁錮には執行猶予が付く事があります。執行猶予が付いた場合には、その期間中に罪を犯さずに清く正しく生活をしていれば刑罰の執行を免れる事が出来ます。

例えば、懲役3年執行猶予5年という判決が下された場合に、5年間何の罪も犯さずに生活していれば3年の懲役は免除されますが、5年間の間に犯罪を犯してしまった場合には執行猶予が取り消されて、そこから懲役3年の実刑を受ける事になります。

罰金

罰金は財産刑の一種で、受刑者の金銭を強制的に取り上げる刑罰の事を言います。罰金額の下限は、原則として1万円という事が刑法によって定められています。

従いまして、刑罰に10万円以下の罰金と記載されていた場合には、1万円以上10万円以下の範囲内で罰金額が決定される事になります。

科料

科料は罰金と同じく財産刑の一種で、受刑者の金銭を強制的に取り上げる刑罰の事を言います。刑罰との違いは徴収額の範囲で、原則として1000円以上1万円未満の軽微な犯罪に対して科せられます。

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